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幹の④-② 「善」③-②-⑳-⑧~風姿花伝 第七 別紙口伝 「秘すれば花」、その本質⑩-⑧~「芸を極める道」・その出発点⑧-①「姿月あさと・島津亜矢ジョイントコンサート」 競う芸は神の芸



 投稿者  安宅 関平

 島津亜矢さんの芸の魅力は、聴く者の心をサラリと洗ってくれるところにある。
この不思議さは、どこから来るものであろうか。
それは、芸に新基軸を呼び込む新しい芸の創造が、含まれているいるからであろう。それが芸に新鮮さを感じさせているのである。
今現在の島津亜矢さんは、これが「秘すれば花」になっている。
そして、この「秘すれば花」の命は、正面から見ると芸能とは何か、技芸とは何かを探り求めているところにある。この命がまた、「芸を極める道」に通じてもいる。
そして、その道に映る後ろ影には、豊かな人間性の柱である「人格」と、芸の基盤である「魅力」を追い求める健気な姿の美しさがある。

 ところで、島津亜矢さんの芸を極めようと努力するその健気さから発せらる芸術的シグナルとして、人々を魅了させるものが二つある。
その一つは、「秘すれば花」を引き立てる内堀と外堀の芸である。
そしてその二つは、イノベーションに通じる芸への「挑戦」と、その「努力」する姿である。
中でも努力と精進で、ひるまず新しい芸に意気込んで立ち向かう姿の美しさには表現する言葉はない。
それは芸を極めようとする姿勢を、人前にさらす姿の美しさだからである。
だが、この姿勢が何故美しく感じるかである。それは芸の目的である祈願することが、神に良く伝わる目標に叶っているからであろう。人が神に携わる折の美しさには、言葉で表現できないものがある。

 島津亜矢さんのこうした芸の美しさは、コンサートや歌謡ショーなどで単に芸を披露する場面よりも、披露する芸を競う場面のときに非常によく発揮され、観客を魅了させている。
 NHKはこのあたりを充分承知してか、歌番組においては北島三郎さん、布施明さん、秋川雅史さん等に挑戦させている。また、名人戦等と称して3、4人のメンバーを揃えて競わせてもいた。そのいずれの舞台も高い評価と好評を博するものが多かったように思える。

 こうした競う舞台の延長線上に、2016年2月28、29日、EXシアター六本木(東京・西麻布)で開催された「姿月あさと・島津亜矢ジョイントコンサート」がある。
これは歌唱芸を競い合う芸としては、今までにない壮絶な部類のものであった。
このコンサートでは、下記に挙げたコンサートのセットリストにあるように、この舞台で初披露する楽曲は見当たらなかったように思えた。にもかかわらず、種々の魅力を見せつける舞台になっていた。
それは、演歌のほか、洋楽やPOPS、ミュージカルまで、多様なジャンルに果敢に挑戦するものであったからだろう。
ただ、この挑戦も、従来同様に肥後の風土に育(はぐく)まれた「努力する魅力」の延長線上のものであったが、従来と若干違うのは、相手が宝塚という異質の芸域とのバトルだったことである。ここのところに大きな意義と期待があった。
そうした意味からか、島津亜矢さんの心構えも何か少し違って感じられた。
また同時に、「姿月あさと」さんの宝塚流における演歌・歌謡曲への挑戦には驚いた。バックのジャズバンドも、演歌や歌謡曲のほか多種多様な楽曲に挑戦するものであったことも楽しめた。
ということは、それぞれがお家芸分野以外の芸に挑戦することへの興味深さがあった。更に特筆したいのは、「姿月あさと」さんと「島津亜矢」さんと「ジャズバンド」奏者の皆さんの三者が、三つ巴になって、互いに競い合う芸の披露でもあった。
そのためか、それはきわめて真剣で、見応え・聴き応えのあるものだったが、前宣伝にあった「贅沢な時間と空間」などというような悠長なものではなかった。緊張感のみなぎった会場は、観客が舞台から受ける感動に言葉を失ない、何度も静寂を招くほどのものたった。このことを前宣伝で「贅沢」という言葉で表現していたのかも知れない。
というのも、それは芸事に疎(うと)い人間には、次元の違う世界を体験していると思わせるほどの、異常な雰囲気の魅力を持つものだったことである。ところがこの異常さは、実に柔らかく、温もりにあふれたもので、何故か居心地のよいものであった。


 巣ごもりの支度終われどこの暑さ 
               隠れ戸ふさげず惑う虫の身





<参考> 「姿月あさと・島津亜矢ジョイントコンサート」のセットリスト

   ◇一幕

 ワインレッドのこころ       
                              姿月あさと 島津亜矢
 I WILL ALLWAYS LAVE YOU
                              島津亜矢
 ジェラシー
                              姿月あさと
 帰らんちゃよか           
                              島津亜矢
 聖母たちのララバイ        
                              島津亜矢
 MY WEY 
                              島津亜矢
 天城越え               
                              姿月あさと
 桃色吐息               
                              姿月あさと
 山河                  
                              島津亜矢
 悲しい酒               
                              島津亜矢
 愛燦燦                
                              姿月あさと
 夜桜お七               
                              姿月あさと
 見上げてごらん夜の星を    
                              姿月あさと 島津亜矢

   ◇二幕

 なぎさのシンドバッド        
                              姿月あさと 島津亜矢
 セクシー貴方はセクシー     
                              姿月あさと 島津亜矢
 水色の雨              
                              姿月あさと
 時の流れに身をまかせ      
                              姿月あさと
 夜桜挽歌               
                              島津亜矢
 感謝状~母へのメッセージ~  
                              島津亜矢
 カサブランカ・ダンディ       
                              姿月あさと
 メリー・ジェーン           
                              島津亜矢
 Mr.サマータイム          
                              島津亜矢
 難破船                
                              姿月あさと
 かもめが飛んだ日         
                              島津亜矢
 LOVE IS OVER         
                              姿月あさと
 なごり雪                
                              島津亜矢
 ナオミの夢              
                              姿月あさと
 糸                  
                              島津亜矢
 いとしのエリー           
                              姿月あさと
 ダンシング・オールナイト    
                              島津亜矢
 飾りじゃないのよ涙は      
                              姿月あさと 島津亜矢
 漁歌                 
                              島津亜矢
 夜明け                
                              姿月あさと
 黄昏のビギン           
                              姿月あさと 島津亜矢
 アナと雪の女王          
                              島津亜矢

  デュエット 姿月あさと 島津亜矢    
                              6曲
  ソロ     島津亜矢           
                             16曲
  ソロ     姿月あさと           
                             13曲
                            
          計
                             35曲


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