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幹の④-② 「善」③-②-⑳-⑨~風姿花伝 第七 別紙口伝 「秘すれば花」、その本質⑦-⑥~「芸の魅力」⑳-⑳克服した芸域の空洞化 (下の中⑬)アルバム「悠悠~阿久悠さんに褒められたくて~」⑮-⑤-⑤



 投稿者  安宅 関平

 星野哲郎氏の予見における、素質が真価を発揮する「形態」を探ってみたい。
 「肉体面の変化」には、変化の自覚によって芸が生まれ変わる確立が高い。
ただそれには、その前に人格の高まりが必要である。
「肉体面の変化」は、本来その人格陶冶の始まりとしての機会を、担っているところがある。
芸人はこの機会を生かせれば、芸が生まれ変わるのである。
その意味では、こうした機会を生かすか殺すかは、それは芸人次第である。
星野氏は、島津亜矢さんにこの人格陶冶の機会到来時には、決してそれを逃さず、生かせる教育や訓練をしていた。
そして、性格のよい島津亜矢さんは、それを素直に受け入れて成長したことから、真価発揮の予見が可能となったものと思われる。

 そうした予見の要因は、性格の素直さが三点の素質を誘導し、人格陶冶の機会を生かす条件を、自ら整えると確信していたことにある。
というのも、この素質は、日頃から芸に取組む島津亜矢さんの姿勢を、ぶれないように常に正していたからである。
それは、真面目に芸に取組み、芸道を極めようと試行錯誤し、更に迷路に惑わされても諦めず努める現象にあった。
これが機会を生かせる条件に適(かな)っているとみたのである。
そして何かのきっかけか、あるいは刺激を機会に、一段上等の人格の尊さを目指すことの大切さに気付き、その努力をさらに重ねると確信したと思われる。
それによって、自ずと芸の向上が図られるという好循環に入れる。「本物の芸」は、ここが出発点なのである。

星野氏は、こうして島津亜矢さんが、「肉体面の変化」の機会を、人格を陶冶する始まりの機会として捉えること、即ち「精神面の変化」の機会として生かせれば、「本物の芸」の道が拓けると考えたのである。
そして、その道が拓かれたとき、「芸人の内面で芸の内面」を大衆に知らせる芸に近づくとの思いを、持っていたものと思われる。
 その時期は、40歳を過ぎた時分であり、その花は50歳を過ぎた時分に開花すると踏んでいたのである。

 ここうした素質の発揮される時期や方法で、いま一つ大事なことは、島津亜矢さん自身の「精神面の変化」という内部変化は、自己変革によってなされるものでなければならないとしたことである。他からのアドバイスとか、指導・忠告などの「外部刺激要因」によるものであっては、その意義は失われるとしていた。
何故なら、「本物の芸」の生まれる苗床は、自己変革にあるからである。
 そして現実に、それが島津亜矢さんの変化の始まりとなったのが、アルバム「悠悠~阿久悠さんに褒められたくて~」だったのである。
 しかし、星野氏はこのアルバムを耳にした5ヵ月後に、いまだ未完との思いを残しながら、島津亜矢さんに永久(とわ)の別れを告げている。


 さて、星野氏は、島津亜矢さんの素質が、真価を発揮する時期や、どのような形態で現れるか迄を予見できるほど、情熱をもって、教育・指導に傾注した経緯を、これまで探ってきた。
これは、星野哲郎氏の人間性から来る独特の巧みな教育方法でもあった。
こうした人格者の下で25年もの間、「人の道」を学べた島津亜矢さんは、果報者の一言に尽きるだろう。
だが、そのことは、島津亜矢さんが器の大きい素質のある少女だったからでもある。
それだけに、一時期のふわつく浮き草の流行歌手にしたく無いとしたところからきた、教育方針だったのであろう。
 その意味では、星野氏のこうした教育方針が、本当の成果をみるのは、実はこれからである。
それは、星野氏が「肉体面の変化」を人格を陶冶する「精神面の変化」に生かし、「芸人の内面で芸の内面」を表現する「本物の芸」の道を拓くとした時期は、50歳を過ぎた時分からだとしていたからである。

 島津亜矢さんは、あと3年でその時期に突入する。それは星野氏の期待に応える成果が、その時期から徐々に開花することを意味する。
しかし、それはヒット曲が生まれるか否かを問うことではない。
芸質の向上が星野氏の思いに叶っているか否かでのことである。
それは、島津亜矢さんが芸人として、人間として善き人生を全(まっと)うすることにつながらねば意義がない。つまり、それは一人前の人格者としての成長に掛かっているといえるのである。
星野氏が未完としたのは、その姿の確認ができなかったことによるもである。
星野氏は一方で、芸質さえ向上すれば、人気はなんとかなると考えて、高を括(くく)っていた。
その意味では、いまからの精進が大切かと、素人目には思われる。
星野氏が他界して8回忌を迎えているいま、今後その精進が可能か、ここが頑張りどころという時期の到来かも知れない。


 酷暑でも本多の森が揺れ動く 亜矢の歌声「おまつ」の化身


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